w a t e r b o w l s

2006年2月、パリ、《ニュイ・アンディエンヌ(インドの夜)》と題された興味深い組み合わせのコンサートで、テリー・ライリー自身が演奏に加わった《In C》に続き、ラジャスタン、カルナティックのグループが夜通し演奏を続けた。そこで私は初めてジャラタランガムと呼ばれる、水を入れた陶器の碗を竹の棒で叩く南インドの打楽器に出会った。洗練された技巧と繊細な音色をもつAnayampatti Ganesanの演奏であった。水の量で音程を調節するというシンプルなメカニズムに感心し、私はすぐに自宅のキッチンで碗に水を入れて叩き始めた。最初はラーガのトーナリティーを与えるオルガン・ドローンに合わせて、インド古典音楽のインプロビゼーションの練習をしていたのだが、次第にこの楽器の音色自体に魅せられていくようになる。水波による独特のビブラート、そして私がいつも惹かれてきたエレメントである水の感触。さらにハイドロフォン(水中マイク)の導入により、水の雫を使った作曲や、雨だれのサウンド・インスタレーションなど、水の音のもつサウンド・テキスチャーを模索するようになる。ウィーンでの長時間にわたるインスタレーション・パフォーマンスの直後、共演したモーマスが口にしたフレーズがこの楽器のすべてを語っているような気がする:「・・・これは水の精だ・・・」。アパム・ナパート:水神、水の子(サンスクリット)。


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トモコ・ソヴァージュ

横浜市出身、2003年よりパリ在住。ジャズ、即興音楽を経て、近年は南インド音楽の楽器にヒントを得た水を張った陶器の碗、waterbowlsの演奏/作曲活動をしている。ハイドロフォン(水中マイク)や水滴を用い、水のテクスチャーを追求した音楽を展開。2009年初のソロ・アルバム"Ombrophilia"が、米西海岸の実験音楽レーベルand/OARよりリリース予定。最近の共演者はジル・オブリー(スイス)、モーマス(英)、エリック・ミンキネン(仏)、エマニュエル・レビュ(仏)等。







c o l l a b o r a t i o n

フィールド・レコーディスト、ノイズミュージシャンとして多彩な活動で知られるベルリン在住スイス人サウンド・アーティストGilles Aubryとのコラボレーションから生まれたレコーディングが、2008年ロシアの実験音楽レーベルMusica Excentricaからリリースされた。ソヴァージュのwaterbowlsの演奏をAubryがライブ・サンプリング、ジェネレートした、瞑想的でいてヒプノティックなインタープレイが展開されている。